HEATER

Posted: 2011/12/19
巷では自然エネルギーについて色々と言われているけど
単純に囲炉裏のある暮らしっていいな〜と
先日ふと思って「暖房」について勉強してみました。

その歴史は古代ローマ時代にも遡り、
床上を上げて、その中に温かい空気を溜めておくハイポコースト
というシステムがその先駆けのようで、馴染みのストーブ等が登場するのは
近世1700年頃になってからだそうです。

日本においては、明治以降にストーブが入ってくるものの
ほとんどの家庭においては気密性の観点から囲炉裏や火鉢が使われ続け、
今のような部屋全体を暖めるシステムが普及したのは何と第二次世界大戦以降。

つまり日本人は、暖を求めて囲炉裏を家族や仲間と囲み、
そこで一般調理はじめ薫製の作成、衣類の乾燥etcあらゆることを行ってきました。
その火は照明を兼ね、煙は防虫を兼ね、土地土地の風土とともに変化しつつも
とても理にかなった道具の一つであったが故、愛用されてきたのでしょう。

お気づきの方もいらっしゃると思いますが、
当然これは全く「電気」いらずな訳であって
なぜ今注目されないの?くらいに僕は思ってしまいました。
さらには疎遠になりつつある家庭のコミュニケーションの場をも提供してくれますし、
時代を逆行しているようで、実は最強のカウンターパンチであるのでは、、?

しかし過密した都市などの住宅事情でこれを導入するのは現実なかなか難しいでしょう。
また、薪を常に調達しなくてはならない、火に勢いが付き暖まるまでに時間がかかる、
匂いがつく、火事の危険性など、憂慮せざるを得ない問題点もあるとも言えます。

現代人は時間を金で買い、それは人であったり資源であったりするけれども
直接的には見えない犠牲の上に、自らの「快」を享受しています。
やはり姿、かたちの見えないものには現実味がなく、心も入らない訳であって
浪費の言い訳を自分のなかのどこかで上手く帳尻合わせている気がします。

苦労を苦労とせず、
日々暮らしを開墾してきた祖父母の時代を経て今が当然あるのですが、
例えば手を汚す、面倒な手数を踏むなど、
自らの肉体を犠牲にして手にいれることが出来る小さな喜びに対して
個々がもう少し積極的になってみても良いのではないでしょうか。

暖房から話がそれちゃってますが、
今の日本に必要なことって正直それだと僕は思ってます。


そしてこれは現在のテクノロジーを捨てて暮らすということではなく
古き知恵と最先端の情報・技術を組み合わせての暮らしを考えるのが
これからこの土地をサヴァイヴするための基本的発想と成る気がしているのです。




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