農ライフ通信 VOL.2

Posted: 2012/05/14
さてさて、反響も頂けましたので続々畑のレポートをしていきたいと思います。
まずはここ一ヶ月の動向、3月下旬〜4月下旬までの作付けを中心としたものからどうぞ。



これは4月2日、前年11月に苗を植たソラマメに防虫テープを貼っているところ。
銀アルミの只のテープですが、この反射光をアブラムシは嫌うそうです。
ソラマメは春先に植え付ける方もいるみたいですが、前年の冬に苗を植える(とは言え、寒さを凌げる適度な大きさがなければなりません)ことによって夏前5月下旬〜6月くらいの収穫が可能となるようです。

これは前年植え付け冬に収穫したゴボウの残りを土に埋めて保管しておいたもの。
こうやって保管しておくほうが風味が落ちないそうです。
ただ、これは保管しすぎて葉っぱが出てきちゃってます。
(味にはあまり影響なし、のような気がしました…)


グエッ…冬眠から起こされちゃったよ…
こんなんもあちこちから出てきます。





4月9日、いよいよ自宅隣の空き地の開墾に着手しました。
不起耕栽培と自然農を混同している人は結構多いのですが (かく言う自分もそうでした) 、
前者は最初一回のみ耕起し施肥によって土壌の酸度を調整し、
植物が育ちやすい環境を整えた上で、根張りによる「根粒構造」を生かす農法です。
つまり、普通の畑の場合は一度収穫を終えた作物は根ごと刈り取り、
次の作物の植え付けのために再び耕起し (これがまた重労働) 、
作物に合わせて石灰、肥料などを蒔き再度phを調整し直さなければなりません。
この行程で保水、微生物の住処を維持していた根粒構造は断絶されてしまうのです。
不耕起栽培ですと根は自然と発酵し腐葉土と化したり、根のすきまを住処としていた
微生物、ミミズや幼虫など、土を肥やしてくれる生物が生き残ることができます。
これを栄養として次の作物が育つので、年々良い収穫が見込めるようになる
というものです。
僕は水口文夫氏の農文協から出ている「不耕起栽培」を読んで
これを試さずにはいられなくなってしまった、という次第です。


まず、区画を計りひもを張ります。
その後はひたすらクワで深さ20~30cmで耕す、耕す、耕す…


色んな生き物が出てきます。
これは「ニホントカゲ」。
カナヘビと違って超すばしっこいやつですがまだ寒くて動きは鈍感。


大きな雑草の根の下には巣があります。
まだしっぽの青い子供が数匹飛び出してきました。
子供のときだけ見れる美しいブルーのしっぽ。

雑草との戦い。ひたすらシュールかつ孤独です…苦笑
丸々半日以上かけて8割耕起完了。
関東の土地はphが酸性の土壌が多いので、
中和するためにアルカリ性の苦土石灰などを撒きます。

今回は苦土石灰のかわりに貝粉末を使用してみました。
微量ミネラルを含むとか。ホームセンターで5kg/¥500ほど。
また植物の初期段階での栄養素の吸収をアップさせるために
ヨウリンをそれぞれ2000g〜3000g撒きます。これも最初の一回のみです。


ちなみにこのヨウリンとは、思い切り化成肥料ですが
有機肥料が必ずしも良いという訳ではない、との判断からの使用でした。
有機はバクテリアをゆっくり時間をかけて分解して、植物が吸収できる状態へと
持っていくので、いわば不完全燃焼とも言うべき腐敗も起こりやすいのです。
食味など要検証ですが、純粋に植物は育つ過程でリン酸を欲しているのであれば
それを与えればよいのでは?との判断です。
あまり印象良い例えじゃないかもしれませんが
人間で言えばビタミンサプリメントですよね。

この後、土と肥料を馴染ませるため2週間ほど放置。
その間に何してたかって言うと、自転車を修理して
裏の山を超えて農道散歩、花見三昧してました。



4月15日、芳賀町/野本川沿いの風景。
美しきかな、カントリーロード!
昔は見向きもしなかったのにね …
年を取るとはこういうことなのかな? 笑
ずっとここにいると埋もれてしまう風景だけど
良いものは良いと胸を張ってイイタイ!







東京にいたときは花をまじまじと観察する時間さえ無かった気がします。
日の光を浴び芽吹き、花を咲かせるという当たり前のような行為のなかに
生のダイナミズムや、生きる物の然るべき姿を見いだす。
科学技術の結晶のなかにいると当たり前のように人間が中心に感じてしまう。
自分が本来どこにいるかは脳で意識し理解することじゃない、感じることなんです。



5 コメント:

  1. otonico 2012年5月15日 22:44

    いいですねー、農ライフ通信!
    引き続き楽しみにしておりますー。
    また、GLOCAL RECORDS1周年おめでとうございます!

  2. ジャートメ 2012年5月16日 12:40

    otonicoさん 重ねてありがとうございます!
    なるべくマメにアップするよう心がけますねー

  3. WARUNECO 2012年5月17日 13:05

    とかげさー、山のなかでようみるけどさー都会のと違って艶かしく光ってるよねー気持ち悪い。家につがいでつばめが着てたんだけどさーある日突然かたわれが来なくなってもう二週間くらい夜になると家の玄関の電球のとこで待ってるのとその姿がせつなくてさー…悲しくてさー…戻ってくるのでしょうか?

  4. ジャートメ 2012年5月20日 11:11

    ツバメ…切ないね。浮気ダンナかもな。あるいはエサの出稼ぎに遠くへ行ってるのかもな。都市のツバメは激減しているらしいよ。今の住宅には軒下がなかったり、巣の素材が定着しないものが多いから。動物世界の住も食も世知辛くなる一方だなあ。

  5. waruneco 2012年5月21日 12:50

    あたたかくて眠い…