Missing Link

Posted: 2009/09/22
盆に一度帰省して以来、「自己同一性」ってことをよく考えるようになった。
自己同一性(セルフ・アイデンティティ(Self Identity))とは、自分は何者であり、何をなすべきかという個人の心の中に保持される概念。by ウィキペディア

社会の中で音楽をやって食べていきたい、と考えたときに
じゃあ「自分の音楽」って何?って疑問は当然浮かび上がってくる。

ロックも好き、レゲエも好き、ジャズもトライバルも、もちろんダンスミュージックだって大好きだ。
DJはその都度、その空間ごとでフリーフォームに自己の嗜好の対象を変化させることが出来る。
しかしながらそこには同時に自分が自分でなくなってしまう魔力も存在する、と経験上僕は考える。
情報過多な現代だからこそ、その情報を掌握する審美眼とそれを受け取り消化する器量が問われている気がする。そういう意味では社会全体が淘汰されている時代なんだ。

平たく言えば、自分のカラーとビジョンを鮮明に持ってない奴は生き残れない。
今に始まったことではないが、特に、クリエイティブなジャンルに於いてそれは顕著だ。

先日も書いた通り、ここ数週間ミックスを録るためレコードと向き合っている時間が長い。
たかがミックスと思われる輩も多いかもしれないが、その過程は真にクリエイティブなものであり、自分は売れ筋のものだとか今どきのものを作ろうと考えている訳ではないので、先に書いたような悩みが、自分の人生とオーバーラップして降り掛かってくるのである。

音楽を通じ社会の中でいかにして自己のアイデンティティーを誇示できるか、
そのヒントは自分のルーツを辿ることなんじゃないだろうか。

物事の本質をえぐるのがアートであるならば、最小単位で今ここに自分が生きている(生かされている)ことが何なのかを考える必要がある。

人生の中で一つの物事を続ける理由は人それぞれだろうけど、僕は一つの指針がないと進めないタイプだと自負している。

アンダーグラウンドなシーンだけでなく、親や兄弟、近所のおっちゃんにだって「感じる」ことの出来る音楽、「美しいもの」を作りたい。じゃあ自分にとっての「美しいもの」って何か考えたときに、それは地元の自然だったり親に育んでもらった愛なんじゃないかと思う。

DJを始めて10年近い月日が経ったけど、アートと夜遊び、カジュアルとフォーマル、アンダーグラウンドとオーバーグラウンド…、様々な相反する思考や行為が繋がり一つの輪となる感覚がここに来て芽生えてきた気がする。

いっぱい遠回りして寄り道ばっかだったけど無駄なことなんて何もなかったと今は思う。
宗教観丸出しだけど、全ては必然であって、今に繋がっていってるんじゃないかな。



朝からどっぷり音に浸かって体は疲労してるけど、今日はちょっと見えたんで気分がいいです。
新しいミックス、期待しててください!

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