LINKAGE -1

Posted: 2010/05/25
水曜、
家を出た頃は曇り空だったが羽田に着くと雨になっていた。
何層にも重ねられたミルフィーユみたいな白い雲の層を突き抜けて上昇していく飛行機。
すべてを突き抜けたら目がくらむほど眩しい太陽が顔を出した。
ときどき風に煽られて蛇行する飛行機がラピュタの飛行船を思い出させた。
そんなこんなでもの思いにふけっているうちにあっという間に福岡空港到着。
雨は止んでいた。

そこから約1時間電車を乗り継ぎ、MOOCHY先輩邸へ、、、

庭先で魚焼いたり、子供たちとDVD観たり、
ゆったりまったりした平和な時間が流れていた。

翌日、午前10時に起きると外は再び雨。
G.N.T.君に話を聞いてからずっと気になっていた
阿蘇の「押戸石」(阿蘇の山頂付近に、巨大な石がいくつも置かれ、それらにヒエログリフが刻まれており、太古の時代に海洋系シュメール人が祭礼の場に用いたと言われている場所。)
に連れていってもらう予定だったが心が揺らぐ。

しかし、MOOCHY先輩に尻を叩かれ、はっと目が覚めた。

行くと決めたものは行かねばならないのだ。
そのためにわざわざ前乗りしてきたのだし、
そのために時間を割いてくれた氏の気持ちを思うと
それはあまりに浅はかで利己的な考えであった。

かくかくしかじか2時間以上の道のりを氏に運転して頂き、
多少道に迷いながらも目的地に到達。

平日で、雨まじりの天気とあって、
その場にはおっちゃんが一人いただけだったが
数分すると下山していってしまった。

行きの飛行機で突き抜けてきた幾重にも重なった雲の層、
その切れ間から時折、太陽が顔を見せようとする。

遠くに見える山々が雲の隙間からの光に照らされ、
輝いて見える。

雲はもうもうと流れ、
その流れの中に自分も溶け込んでいくような感覚がした。

東京でのちっぽけな悩みや、生きていくことの苦悩が、
それらと共に流され、浄化されていった。

この世とあの世の境目にいるような強烈なカタルシス体験だった。

自分の信じた道を本当に来て良かったと思い、
感きわまって見えないところでこっそり泣いた。

「行けば何とかなる」この言葉を氏に言われ、
自分を信じることが出来た。

縁や前兆とは本当に不思議なもので
偶然福岡に行く前の週に部屋に転がっていた「アルケミスト」という本を読んだ。
なぜか10年以上前から持っていたのに一度も開かなかった本。
風邪でどうにもこうにも自宅から動けず、何とはなしに手にした本だ。

翌日、ツイッターを見たら、MOOCHYさんが
エジプト音源を使って作曲中で、その前にその本を読み直した、
とのことを書いていたのを見て本当に驚いた。

そして先にも書いた、G.N.T.君から話を聞いたときに
自分の脳裏に浮かんだ強烈なその場所のイメージ、
それが気になって仕方なかったので今回このような日程を組んだ。

アルケミストは有名な本なので、その内容を知っている方も多いかもしれないが
とある少年が、ある日夢に出てきたピラミッド、それを追い求めるために
今までの生活を捨て旅に出るという話だ。

道中、自分の直感や、身の回りに起きる前兆を「読む」ことにより、
また勇気によってそれらを享受することにより道が開けていくという内容だ。


人はやはり、目に見えるものを信じるし、
勇気と常に拮抗しながら生きているのが大多数であると思う。
そこを超える真理を探究することはクリエイティブにも繋がるはずだ。

大宇宙の大きな必然の流れを信じているのがアミニズムだと思うが
僕は嫌が応にも、その流れを感じたし、それが人間として生きることの
美しさだとも感じている、、、。


ちょっと話がディープになってきてしまったので
続きはまた今度…。
そしてこの「LINKAGE」は週末へと続いていくのです。

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